アメリカ政治漫画の講演会へ
東京の品川にある原美術館で開催された、アメリカの政治漫画家ダリル・ケーグル氏(Daryl Cagle)の講演会に出席してきました。
ケーグル氏はアメリカの850の新聞に政治漫画(カトゥーン)を提供し、数多くのアメリカの政治漫画をタダで見られるケーグルカトゥーンWebsiteの創始者、またcagle.comではテーマごとに数多くの作者の作品が見ることができ、アメリカの政治漫画では中心的な人物です。
講演会ではアメリカの政治漫画に描かれているシンボルの紹介や、キャラクターの描きやすさ・ネタのし易さ(ブッシュはネタとしてはすばらしかったそうで様々な弄られ方をされてしまっています)などを実例を交えながら紹介されました。大きな事件があると、多くの政治漫画家が同一の内容を書いてしまうため似たような表現がなされてしまう(ネタがかぶる)ことがあり、それもそのままwebsiteでは紹介しているとのことでした。
拝聴していて一番驚いたのが、ケーグル氏がえひめ丸事件の際、潜水艦や海軍を批判した政治漫画を制作していましたが、これらの作品はアメリカの新聞社は掲載しなかったとのこと。掲載されないことは残念ですが、それでも意地でも描こうとする政治漫画家としての熱意には強い使命感も感じさせました。
アメリカでこれだけ政治漫画が市民権を得ている理由として、時として政府に楯突いてでもメッセージを伝えようとする政治漫画のスタイルはアメリカの民主主義社会の成立にとても重要な物として理解されているという背景があるようです、その一例としてアメリカの学校の授業にて政治漫画を読むという課題があり、それがケーグル氏が運営されているウェブサイトのアクセスの増加している一因だそうです。
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お話を伺い、さて、日本の場合は・・・・と考えますと・・・
やはり、日本の新聞の政治漫画は勢いが無くなっています。その背景には、根本にはアメリカほど政治を語りたがらない・タブーが多い等の原因があるでしょうが、漫画の問題に限ってみると、
・日本の政治漫画の場合は漫画家と新聞社とをつなげるシンジケート(配信社)が弱いため漫画家が政治漫画を載せたくても窓口が無い。
・新聞社が政治漫画を”政治の解説するイラスト”と誤解していることが多く、マンガとして面白い政治漫画が載らない。そのためファンが少ない→政治漫画を描こうと志すマンガ家の卵すら登場しない。
といった点でしょうか。特に読売や朝日の政治漫画の掲載頻度の減少や政治漫画に変わってイラストレーションの多様、地方紙に見られる説明文ばかりのコマには嘆かわしいばかりです。
高知新聞『高新まんが道場』や宮崎日日新聞『宮日世相まんが』、産経新聞の夕刊のように読者から風刺漫画を受け付けるコーナーを設けている新聞もありますので、それらの動きに期待したいとことですが、全国紙でももうすこし政治漫画をテコ入れを図る時期に来ているのではないでしょうか(もう過ぎている感もありますが)。




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2009/10/26 月曜日 at 08:34
はじめまして。ハワイに住んで漫画を描いてます。
日本とアメリカの政治漫画の比較、非常に興味深く読ませていただきました。確かに日本は少ないですね。ただ、アメリカも最近は新聞会社が経営困難に陥っているところが多く、リストラで第一軍で解雇される中には、政治漫画などを描いているコロム漫画家が含まれているようです。各誌が専属で漫画家を雇用するのではなく、ダリル・ケーグル氏がやっておられるようなシンジケートからスポットで漫画を買って掲載するようなことに切り替えられたりしてるみたいです。アメリカの漫画家も例外でなく、景気の煽りを受けてます。失業漫画家、大変です。
ともあれ、世界各国で政治の賛否、かなり辛口強烈な漫画が出回っています。日本もがんばりましょう!